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モンゴルの指導者たち ダライ・ラマとの会見に慎重 中国が列車をブロック

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(2002年 11月6日AFP)

(ウランバートル)11月6日、情報筋によると、モンゴルの政府首脳陣らは、モンゴル訪問中のチベットの宗教指導者ダライ・ラマとの会見を避けており、それは中国が列車をブロックしてその訪問に対する激怒を表したからであるという。しかし、ダライ・ラマは、ウランバートルの迎賓館に宿泊した。非公式筋によると、ナンフバリン・エンフバヤル首相との会談はないという。熱心な仏教徒であるナンフバリン・エンフバヤル首相は、1995年の文化担当大臣当時、中国の圧力にもかかわらず、ダライ・ラマのモンゴル訪問をずっと後押しし続けてきた。ダライ・ラマは11月4日にモンゴル入りし、11月8日に出国するらしい。

中国政府は、11月5日からモンゴル国境の鉄道輸送をブロックしてダライ・ラマのモンゴル訪問に対する激怒を表した。鉄道関係者らの話によると、このためにモンゴル南の国境でおよそ500人の旅行客らが立ち往生となったという。

ダライ・ラマはモンゴル最大の文化施設であるウランバートルパレスで法話を行い、5000人の仏教徒たちが集まった。会場外でもほぼ同じ数の人々が集まっていた。会場の多くの仏教徒たちや会場外にいた人々の中には数多く、中国に支配されている内モンゴルのフホホトやロシアのウラン・ウデ(シベリア中部にある都市)のように遠いところからチベット仏教の指導者ダライ・ラマに会うためにやって来た人たちがいた。

中国は、11月4日、ダライ・ラマとの会談を行わないようモンゴルの首脳陣に警告した。
「中国は、どの国に対してもどんな内容でもどんな形のものでも、ダライ・ラマとの会談に反対する」と中国外務省は公式声明で発表した。その声明でもわかるように、中国は、ダライ・ラマの精神的な活動が何か政治的な意図があって行われていると頑なに信じている。
「ダライ・ラマは、単なる宗教家でなく、母国に分裂を企てる活動に加担する政治的亡命者なのである」とその声明は語る。さらに、こう続けている。
「中国は、(ダライ・ラマが)いかなる国であろうといかなる訪問内容であろうとそこに行き、中国を分裂させ様々な民族の統一のダメージを与えようと政治的活動に加担するダライ・ラマに反対する」

ダライ・ラマは韓国のアシアナ航空が航空券発券を拒んだため、今年の9月、モンゴル訪問をキャンセルした。これに対してアシアナ航空は、ダライ・ラマがソウル経由でモンゴルに行くのはダライ・ラマや乗客の安全が保証できないと恐れたためだと説明した。ダライ・ラマは今回は日本経由でモンゴルを訪問した。

写真:AP 11月6日
ウランバートルパレスで 法話を行うダライ・ラマ
写真:ロイター 11月6日
ウランバートルパレスの参加者たち